2010年度の東京都中等教育学校と都立中学の応募状況
2010年1月22日、都立中高一貫10校の2010年度入試の志願状況が発表されました。
新設校
富士高等学校附属中学校
一般枠募集定員:120名
男子応募者:219名 女子応募者:246名 合計応募者:465名
競争倍率:3.88倍
大泉高等学校附属中学
一般枠募集定員:120名
男子応募者:497名 女子応募者:594名 合計応募者:1091名
競争倍率:9.09倍
南多摩中等教育学校
一般枠募集定員:160名
男子応募者:682名 女子応募者:877名 合計応募者:1559名
競争倍率:9.74倍
三鷹中等教育学校
一般枠募集定員:160名
男子応募者:507 名 女子応募者:482名 合計応募者:989名
競争倍率:6.18倍
既存校
小石川中等教育学校
特別枠募集定員:5名
男子応募者:3名 女子応募者:0名 合計応募者:3名
競争倍率:0.60倍 2009年度競争倍率:1.00倍
一般枠募集定員:155名
男子応募者:622名 女子応募者:508名 合計応募者:1130名
競争倍率:7.29倍 2009年度競争倍率:7.95倍
白鴎高等学校附属中学
特別枠募集定員:16名
男子応募者:35名 女子応募者:30名 合計応募者:65名
競争倍率:4.06倍 2009年度競争倍率:3.81倍
一般枠募集定員:144名
男子応募者:400名 女子応募者:613名 合計応募者:1013名
競争倍率:7.03倍 2009年度競争倍率:7.19倍
両国高等学校附属中学
一般枠募集定員:120名
男子応募者:486名 女子応募者:494名 合計応募者:980名
競争倍率:8.17倍 2009年度競争倍率:9.05倍
桜修館中等教育学校
一般枠募集定員:160名
男子応募者:386名 女子応募者:586名 合計応募者:972名
競争倍率:6.08倍 2009年度競争倍率:6.40倍
立川国際中等教育学校
一般枠募集定員:130名
男子応募者:297名 女子応募者:501名 合計応募者:798名
競争倍率:6.14倍 2009年度競争倍率:10.09倍
武蔵高等学校附属中学
一般枠募集定員:120名
男子応募者:486名 女子応募者:438名 合計応募者:924名
競争倍率:7.70倍 2009年度競争倍率:11.51倍
難関化する公立中高一貫校
2009年5月11日 asahi.com
難関化する公立中高一貫校、検証へ 文科省
全国に広がる公立の中高一貫校をめぐり、文部科学省は入学選抜のあり方などについて今月にも議論を始めることを決めた。「難関化して小学校の勉強では合格できないところがあり、公教育として問題だ」との批判を受けたものだ。文科省は現状をくわしく検証する考えだが、保護者には「私立のように学費をかけないで大学進学に期待がもてる」と受験熱が高い。見直し論議は広く関心を呼びそうだ。
公立の中高一貫校は99年施行の改正学校教育法で認められ、08年4月時点で158校ある。当初は、6年間でゆとりをもって教育し、生徒の個性を伸ばすための制度とされた。法改正の際、国会は「偏差値による学校間格差を助長させない」と付帯決議し、施行規則でも「学力検査を行わない」と念押しして定めた経緯がある。
しかし、状況は一変している。大学進学実績が高い高校が併設した中学などで競争率は跳ね上がり、学校側は「適性検査」と呼ぶ長文の問題を出題。私立のように難しい計算を解くような問題ではないものの、文章や図表などを読み解く高い考察力を求め、私立入試並みの対策が必要なところが多くなっている。小学校などの現場には「私立に対抗して成績がよい子どもを早く確保しようとしている」という指摘が上がっている。
県立千葉高校(千葉市)に昨春併設された千葉中学は、初年度は約27倍、今春も約17倍と高い競争率になった。地元の塾は専門の対策講座を設けたり、出題内容を分析した模試を実施したりしている。京都府の伝統校、府立洛北高校の付属中学も6倍を超えている。
文科省が議論を始めるきっかけになったのは、規制改革会議(議長=草刈隆郎・日本郵船前会長)の動きだ。「私立への『民業圧迫』にならないか」といった観点から公立一貫校の問題を議論。昨年末、「塾通いなどが必要で、高額所得者が有利になる」「公立が担うべき役割を明確化するべきだ」と批判する答申をまとめた。答申は「抜本的な改善」を求め、▽地域の「トップ校」の高校には中学を設けない▽面接、作文、推薦などを適切に組み合わせる▽志願者が3倍程度を超えたら、選抜の過程で必ず抽選を採り入れる――といった方法を提案している。
これを受け、文科省は今月にも中央教育審議会で議論を始める考えだ。各校が実施している「適性検査」はどうあるべきか、中高6年間の教育内容と目標・理念をどうとらえ、どう進めていくべきか――について関係者にヒアリングし、検証を進める。
文科省の教育制度改革室は「競争が過熱気味な一方で、保護者のニーズが高いのも事実。こうした状況をどう考えるべきか、難しい問題をはらんでいる。いずれにせよ、制度開始から10年がたち、公立の一貫校の意味、教育内容と成果もあわせて検証する時期に来ている」としている。(宮本茂頼、上野創)
塾も対策に続々と乗り出す
2009年4月13日 asahi.com
塾も対策に熱、高まる倍率 広がる公立の中高一貫教育
全国に広がる公立の中高一貫校。本来は一部の私立のような大学進学シフトではなく、カリキュラムにゆとりを持たせるためにつくられたのだが、有名大学への合格者を伸ばす学校も出ている。人気校ともなると小6の入学選抜の競争倍率は10倍以上に跳ね上がり、塾の入試対策が熱を帯びる。
国立大へ現役合格増
滋賀県立守山高校(守山市)は03年に中学校を併設。今年、中学から入学した生徒が初めて大学を受験した。
京都大学の合格実績は、過去5年間で浪人経験者の2人だけだったが、今春は現役で3人が合格。前年は合格者がいなかった滋賀医科大医学科にも3人が合格した。いずれも中学から入学した生徒だ。
同高は、英語、理数での発展的な学習や、「人間探究学」と名付けた総合的な学習を中高通じて実施している。進路担当の堀浩司教諭は「高校入試がないのでじっくりと基礎学力が固められる。『人間探究学』で将来について考え、受験の動機づけがしっかりできた」と言う。
02年に中学を併設した岡山県立岡山操山高校(岡山市)も、「中高一貫一期生」が卒業した昨春、東大に4人が合格した。それまでは5年間で1人。今年も東大に4人が現役合格し、旧帝大など入試が難しいとされる国立大学にも31人が現役で合格した。三浦隆志教諭は「互いに切磋琢磨(せっさたくま)し、全体の学力が高まる。高校からの入学者にも良い効果をもたらす」。「学力だけでなく豊かな人間性もはぐくむ」というのも教育方針だ。
99年から設立が認められた公立の中高一貫校だが、必ずしも成功した事例だけではない。香川県では10年度末で閉校になる中学もある。大手進学塾の関係者は「母体となる高校が『ブランド校』かどうかで明暗が分かれている。過疎地に生徒を集めるためのような学校だと厳しい」と指摘する。
04年度以降に中高一貫化し、中学からの入学者がまだ卒業していない高校には、千葉、小石川(東京)、洛北(京都)、宮崎西など、伝統校や進学校が目立つ。
新しい受験層が誕生
しかし、人気校に入るのは簡単でない。「適性検査」と呼ばれる、論理的な思考力や記述力をみる教科横断的な問題を突破しなければならない。複数の表やグラフを見比べて傾向を導き出したり、長文を読んで内容をつかんだ上で感想の作文などを書いたりする。難しい計算や膨大な暗記が求められる一部の私立中学の受験とは異なるが、それでも「小学校の勉強だけでは厳しい。訓練は欠かせない」というのが各学習塾の共通した見方だ。
大手進学塾・栄光ゼミナール(東京)は都内の100以上の教室に公立中高一貫対策コースを設ける。授業の半分は基礎学力、残りは論理力や記述力を磨く適性検査対策にあてる。作文をたくさん書く、過去の出題例をテーマに討論するといった内容で、担当者は「とにかく考える習慣をつけてもらうようにする」と話す。
塾関係者には、都立の一貫校の選抜問題について「考える力がつく」「対策の勉強をすれば合格できなくても無駄にはならない」と評価する向きもある。しかし、それも一様ではなく、塾側が「私立入試のような知識重視型だ」と指摘する出題も少なくない。
栄光ゼミナールの今年の推計では、首都圏の1都3県で私立や国立の中学を受験した小6生は約5万人。一方、中高一貫型の公立中学を受験した子も約1万6千人いる。公立受験者の2割程度が私立や国立の併願者とみられるという。担当者は「私立を目指す熱心な層と、地元の公立中学で良いという層。その間に、公立一貫校の中学を目指す新しい受験者層が生まれた」と分析する。(宮本茂頼)
2009年4月13日 asahi.com
広がる選択肢、魅力は学費の安さ
2009/07/08 東洋経済オンライン
急増する公立中高一貫校、広がる選択肢、魅力は学費の安さ!《本当に強い中高一貫校》
従来の6・3・3制だけでなく、学校の選択肢を広げるために導入された中高一貫教育制度。1999年4月に宮崎県、岡山県に初めて公立一貫校が設立されてから、今年で10年が経過した。画一化や「荒れ」、授業時間数削減によって、私立に比べて地盤沈下したと指摘される公教育。その復権を目指す起爆剤にと、この間、全国各地で公立一貫校が相次いで誕生した。東京都では来年度、4校を一挙に開校。全国では合計172校になる予定だ。
そして今、深刻な不況の中で、公立一貫校への関心がますます高まっている。年収が伸び悩み、さらにはダウンも覚悟しなければならない現状を受け、私立受験に二の足を踏む家庭が増えている。安い学費で充実した教育を――。そうした願いに、公立一貫校は応えることができるのだろうか。
伝統の教養教育で自主的な学習態度を醸成
公立一貫校は、高い進学実績のある伝統校を母体にするケースが多い。千葉県立千葉高校(千葉市中央区)に併設された県立千葉中学校もその一つだ。県立千葉高校は近年、私立中高一貫校の渋谷教育学園幕張に抜かれるまで東大合格者数で県内首位だった進学校。旧制中学以来の「重厚な教養主義」を掲げて・・・